奄美のトラさんのQ&Aコーナー

奄美のトラさんがあなたの質問にお答えします。

トラさん
【奄美のトラさん】
本名 花井 恒三(はない こうぞう)
昭和22年10月奄美市笠利町宇宿出身
元奄美市役所の総務部長兼企画部長
退職後の平成19年4月から「団塊世代が創る無償ボランティア・奄美のトラさん」始動

トラさんの活動内容

奄美と本土・沖縄の人材マッチング(ヒューマンネットワークウェア)

  1. Iターン・Oターン(オーターン。半定住・二地域居住)・ロングスティ・団塊世代等の
    奄美移住希望者への地元案内
  2. 大学(生)や調査研究機関等の奄美貢献への地元案内・共同調査・研究提言(奄美のシンクタンク機能)
  3. 全国の奄美ファンや郷土出身者等の奄美への投資・奄美貢献、奄美で自分を極めたい、表現したいあなた
    (マドンナ、男性含む)のポータルサポート(入口案内)等
  4. 「奄美群島の日本復帰運動を伝承する会」事務局長

※トラさんにコンタクトする場合もこちらをご覧ください。

A. どんな人が移住してくるの?移住準備は?

地元に歓迎される人とされない人の違いはなんですか?

トラさん子供のいる、または出産を控えているカップルは、特に歓迎されます。特に、学校統廃合や複式学級への移行を余儀なくされているシマ(集落)では大歓迎されます。

逆に、歓迎されない人は、シマ(集落)社会に溶け込めない、または都会のモノサシで行動してシマ(集落)社会をかき回す人です。

注)集落とは・・・市町村の中の自治単位。

必要な移住資金はどのくらいだと思っていればいいのでしょうか?

トラさん荷物は陸路運送プラス船便(東京、大阪、鹿児島、沖縄の各ルート)で運送できますが、運賃は運送会社に相談してください。陸路と航路の合計になるので、総じて引越代はかなり高額です(東京〜奄美大島間で数十万から100万円くらい)。

Iターン者の話ですと、車は塩害が多いので荷物で送るより中古車を買った方が良いとか、冷蔵庫などは送るより奄美のリサイクルショップで買った方が良い等、いろいろなやり方がありますのでインターネットなどで奄美のリサイクルショップなどにもお尋ねください。

奄美市名瀬(市街地)では現金が生活の糧ですので、本土都市生活と同様に生活費はかかります。ただし、結婚披露宴出席は一律5,000円、葬儀参列は2,000〜3,000円など、いろいろなところで生活の知恵が働いています。本土都市生活だと一歩家を出たらお金がかかりますが、海、公園や森など奄美には無料ゾーンが幾らでもあります。

田舎暮らし(農村地など)だと野菜や家庭菜園、海産物など自給力があり、地域の方々と分け合う精神があるため、「奄美では米さえ買えれば何とか暮らせますよ」とのIターンの方の言葉もあります。「水が美味しいので、ペットボトルなどにお金を使う必要もないし」とのIターン者の言葉もありました。でも、離島物価は本土都市より総じて6%程度高いです。

「移住資金」と身構えるほどの資金を計算する必要はないと思います。奄美では、本土都市での暮らし(ティファニーで宝石を)の意識転換さえ図れたら「何もなくても豊かな暮らし」、「経済満足度の高い暮らし」の自己実現可能な島です。

どんな人が移住してくるのですか?家族がいて働かなくてはいけない世代とかも移住してきますか?

トラさん本土都市でのベルト・コンベア式歯車人生から脱却して、一度しかない人生、所得は多くなくとも趣味と実益を兼ねた「心の満足度」を重視してくる人が多いです。

奄美は大島紬とサトウキビ農業(砂糖製造業)が中心産業だった歴史から「死ぬまで働く」のが当たり前の人生観なので、フーテン生活しているのは奄美のトラさんくらいです。夫婦共働きで子供たちに高い教育を受けさせる人生目標が当たり前の地で、30歳代であれ定年世代であれ、「身に合った働き」をしながら趣味と実益を兼ねたライフタイルを送るという土地柄です。

奄美移住を一番強く希望するのは、30代の「自分の人生をもう一度考え、立ち直してみよう」という世代ですが、晩婚時代の我が国にあっては「アベックで移住して子供は奄美に来てから生む」というケースが多いです。

次に、子供の教育環境に良いと考えて家族で移住するケース、定年後をゆっくり暮らすケース、ファッション系、IT関連系、芸術系などの表現力を要する方の「オーOターン」(二地域居住)などのケースが続きます。

都会から来た人間が生活するのに、何が一番大変なのでしょうか?

トラさん奄美のトラさんみたいに頼まれもしないのにお節介焼きで相手が喜ぶのを見て自分も満足する人たちが多いだけに、「地域や学校の行事が多すぎる」、「交際費などが大変」というIターン者の声もあります。しかし、逆にこれらが離島で助け合って生きてきた知恵ですので、これらを楽しむ心が必要です。交際(費)なども、お金がない人はない人なりの処し方があり、それらを認め合って共存していくのがシマ社会です。

一方で、電車がないため、自家用車が常に必要という大変さもあります(もちろん、路線バスやタクシーはあります)。また、高等教育機関では専門学校は地元にありますが、大学はありません。

B. ライフスタイルはどんな感じなの?生活資金は?

移住してきた人はどんな生活を送っているのですか?

トラさん野山で野草摘み、魚釣りや潮干狩り、遊休地を借りて半農半X(エックス)ライフ(農に親しみながら別の本業もする)人が多いです。都市型生活ではなく、ゆったりとした雰囲気の中で自立(自律)的な生活を楽しむ人が多いです。

都会から移住してきた人の暮らしぶりはどんな感じですか?
何が大きく変わるのでしょうか?

トラさん奄美群島にはハブがいる島、いない島があります。奄美大島のようにハブがいる島では、ハブが動く夜間の外出は少ないため、夜は一斉に寝ます。奄美で夜勤があるのは、総合病院、本土系コンビニ、冬場の製糖工場くらいです。これが、長寿日本一でもあり、だから

子宝日本一でもあるという不思議な島の大きな要因の一つです。

奄美には大金持ちで移住する人は少なく、小金持ちか、何も持たない若者(30代)世代が多く、移住生活をしている間にいつの間にか、奄美の人達と同じように「お金の目をしてない」目つきに変わっていきます。

生活資金はどのくらいだと思っていればいいのでしょうか?
年金だけで暮らせるのでしょうか?

トラさん市街地(名瀬)は現金生活のライフスタイルですので、本土と同じように出費が要ります。でも、温暖な気候のおかげで衣食住全ての面で四季の変化に伴う種類分けへの出費がかからず、相対的には生活資金は少なくて済みます。

一方で、市街地(名瀬)といえども車で30分もあれば森や海へ行けるコンパクトシティです。半農半Xライフで自給力をつけたり、農村地区の無人市(一束百円の野菜市)で買い物などして出費を抑える生き方が一般的です。

田舎暮らし(農村地区)だと、野菜など分け合ったりして、それこそ趣味と実益を兼ねたライフスタイルとなり、出費は少なく済みます。むしろ、「来客に缶コーヒーではなく水を差し上げる」くらいの人生美学の転換ができるかどうかがキーワードです。
市街地(名瀬)であれ、田舎暮らし(農村地区)であれ共通して言えるのは、生活費は抑えられても医療費や教育費、光熱水道代は現金の世界ですので、それなりの出費は必要です。

年金のみで暮らしている方も多いですが、何かの形で「死ぬまで動く、死ぬまで地域に貢献する」姿勢が必要です。そのことが年金人生を消費人生でなく、モノを生む人生や生涯社会貢献型人生の心の豊かさにつながります。

離島暮らしは、「環境はいいけれど収入が悪い」と聞きますが、
本当に悪いのでしょうか?

トラさん収入に力点を置いた人生美学の方には、離島暮らしはお勧めできません。奄美の人口一人当たり所得は、国民所得に対し68%、県民所得に対し84%です。

現金収入は低くても「趣味と実益を兼ねたライフスタイル」や「半農半Xライフ」、「結い(ゆい)」(助け合い精神)などで、生活満足度や教育満足度は高く、そのようなライフスタイルを求める移住者に向く島と言えるでしょう。

C. 気候風土はどんな感じなの?

本土と何が一番違いますか?

トラさん冬場の湿度です。奄美の年間平均湿度は74%ですが、空気が乾燥する1月で69%、2月69%、3月72%になります。保湿の優位性を持った島です。

また、年間平均気温が23度で、同じ亜熱帯性温暖気候の沖縄より1度低く、移住者の多くが「沖縄は観光で行くところ、奄美は住むのにちょうど良い落ち着いた島」と言っています。

シーズンオフの天候はどんな感じですか?何をして過ごすのでしょうか?

トラさん奄美は、かつては「夏場がシーズンで冬場は閑古鳥」のイメージでしたが、現在は冬場のスポーツ合宿や転地療法などのロングスティのフィールドとしても活用され、冬場もシーズンとなりました。したがって、夏を「8」とすると、冬が「6」、中間の春と秋も「6」とシーズン性は通年化の傾向にあります。

天候は高温多湿で、国内では屋久島に次いで年間降水量が多いと言われる島ですので、植物も動物(人間を含む)も早熟型で早く育ちます。雨や寒さなど、シーズンオフと思われる季節にこそ、モノづくりや収穫の本番で、よく働く季節です。

したがって、シーズンオフは、どんな消費活動をしたらいいかを考える人生美学ではなく、モノを生む活動に携わる人生美学なのです。奄美では、「米米(こめこめ)クラブ」(米や田芋生産を本業ではなくリクリエーションとして楽しむ女性グループ)など、仕事を持ちながら休みの日にモノを生産したり、加工したり、販売したりすることを楽しむグループ活動や教育活動が盛んなこともその証左です。

「南の島ならでは」の自然とは、何が内地と大きく違うのですか?

トラさん奄美では、「内地」でなく「本土」と言うようにしています。

日本の国土が中国などのアジア大陸との離合を繰り返してきた歴史の中で、奄美はトカラ列島や沖縄諸島とともに亜熱帯海洋性気候の動植物の固有種、原種、希少種群を構成する、世界でも稀に見る貴重な保存価値を有する地域として残っていると評価されています。このため、沖縄とともに世界自然遺産の候補として、国が力を入れています。

奄美の世界自然遺産への取り組みは「自然価値」だけでなく、自然との共生によって育まれた奄美の人や文化も含めた「社会的価値」にも注目しようという内容になっています。

したがって、奄美を見るときは自然だけでなく、自然に育まれた歴史、文化、人など生活風土そのものに注目してください。「忘れかけていた日本の心が奄美に残っている」、「沖縄の昔が奄美に残っている」と言われる生活風土を体感しましょう。

気候は鹿児島に近いのですか?それとも沖縄に近いのですか?

トラさん鹿児島は温帯気候、奄美・沖縄は亜熱帯気候です。世界自然遺産候補の取り組みでも、奄美・沖縄を一つのゾーンとした「琉球地域」の呼称となっています。奄美と沖縄の違いは、同じ亜熱帯でも奄美は北限のポジションにあり、動植物相も共通のものと異なるものの両方が存在しています。

また、年間平均気温が沖縄より1度低いため、その分、本土気候に近く、降水量は沖縄より多く、日照時間は沖縄より少ないです。それだけ奄美は「島全体が森」という特徴があります。

したがって、奄美には「沖縄っぽいけど沖縄ではない、本土っぽいけど本土ではない融合地帯」の魅力があるのです。

台風はそんなに恐ろしいのですか?

トラさん台風は、奄美が外海離島で自然環境が厳しいことの象徴として今も存在します。家屋の崩壊、農作物損害、道路遮断、停電、食糧搬送ストップなど、台風前後は耐乏生活を強いられます。

一方で、学校が休みになるのを喜ぶ子供たちがいて、水不足になりがちな夏季に降雨をもたらしてくれ、サンゴ礁に滞留した土砂を洗い流してくれるのも台風です。

台風被害は毎回ありますが、長年の知恵で台風に強い家屋になっているため、地震にも強いというのが奄美の家屋の特徴です。また、近年の天気予報や災害情報体制の発達と大きな台風は奄美大島から逸れているため、人災は少なく、被害は道路や農作物被害が中心です。

D. 下見に行きたいけれど、誰に連絡したらいいの?
   案内はどこまでしてもらえるの?下見準備は?

島には全く知人がいない場合、誰を訪ねていけばいいのでしょうか?

トラさん「奄美のトラさんがいますよ」と言いたいところですが、まずは市町村の担当窓口に連絡してください。そのうえで、奄美のトラさんとも連絡を取るというのがベストでしょう。

「奄美のトラさん」は具体的にどのような案内をしてくれるのでしょうか?

トラさん奄美のトラさんは、移住希望者の案内以外に、奄美をテーマに研究したい方、投資をしたい方、表現したい方、メディア関係の方など、多方面の窓口案内をボランティアで行っています。したがって、全ての方に同じ案内をするというわけにはいきませんが、最近の事例で案内の一端をお話しましょう。

<最近の事例>

神奈川県のOさんからねりやかなやにメールが入り、ねりやかなやから奄美のトラさんへFAXが入りました。次に、ねりやかなやはOさんに奄美のトラさんの電話番号/FAX番号を教え、直接交信を促します。

そこで、Oさんと奄美のトラさんの直接交信が始まりました。 まだるっこいようですが、奄美のトラさんはパソコンを持たず、メール交信能力ゼロのため、このような手順を踏むのです。

いよいよOさん家族が2泊3日で奄美入りした2010年1月中旬、奄美のトラさんは奄美空港でOさん家族の到着を待ち、レンタカーで案内が始まりました。奄美のトラさんは自動車免許を持たないため、移住希望者のレンタカーに同乗するか、バイクで先導するかの方法しかないのです。

通常、案内する場所は予め調べてある、

  • 空室のある市町村の公営住宅周辺
  • 奄美の新聞広告(南海日日新聞、奄美新聞)に最近掲載された民間の空き家周辺

等を案内することになりますが、Oさんの場合は田舎暮らしの一軒家という希望だったので、該当物件に絞って案内しました。

初日に奄美市北部の物件が気に入って内定し、「住まいが決まったら、後の2日間は遊ぶぞ」ということで奄美のトラさんのガイドは初日で終了。3日目に奄美のトラさん抜きで回った同じ奄美市北部の別の集落で偶然学校の校長先生に出会い、その先生が教えた一軒家がもっと気に入ったということで、ドンデン返し決定となりました。

このように、移住物件探しは偶然出会った方との縁で決まることは、これまでもよくあったことですが今回も「偶然」でした。

Oさん家族の「職」は、IT関連業で神奈川県と奄美を行ったり来たりするオーOターン(二地域居住)なため、ハローワークなどへ行く必要はありませんでした。

このようなわけで、奄美市の職員は奄美市に一挙に5人家族が増えたわけでホクホク顔、仲人役となった奄美のトラさんも新年早々大きな魚を釣り上げた気分となりましたが、これまでの経験ではこのような大漁は20回に1度くらいです。

このページを見た移住希望者の皆さんも、遠慮なくねりやかなやに「奄美のトラさんに会いたい!」とメール(info@neriyakanaya.jp)してくださいね。

ちなみに、Oさん家族は初日に食べた「鶏飯(けいはん)」が美味しいと、滞在していた3日間とも昼食は鶏飯三昧だったとか。
また、Oさんの趣味がサーフィンということで、移住サーファーの方を訪ねました。Oさんは「神奈川の海は混んでいて、波の取り合いになる」と話すと、移住サーファーの方は「奄美は波がいっぱい余っていますよ」。Oさんはこの言葉に感動していました。

下見に行く前に調べておいた方がいいことはありますか?

トラさんたくさん下調べをして頭でっかちになって「予見」に捕らわれた状態で奄美に訪れるより、「知らない方が君のため」で、最初は観光気分で奄美の雰囲気などを見てみるつもりで訪れることをお勧めします。

そのうえで、職、遊、住等を考え、どの地域で何をしたらよいかの狙いを絞って、季節も変えてもう一度訪ねる、さらに言えば数か月なり1年なりテストケースで住んでみるという3ステップで訪れるのが理想的です。
まずは、「奄美には忘れかけていた昔の日本が残っている。昔の沖縄が残っている。奄美大島の昔は加計呂麻(カケロマ)島に残っている。さらに大昔の与路(よろ)島がある」程度の知識でよいと思いますよ。肩の力を抜いた下見から始めてください。「予備知識」よりも「感性」です。

下見で絶対にやっておくべきことはありますか?

トラさん下見とは、あなたの人生美学に共感できるフィーリングを感じられるかどうかです。「趣味と実益の自己実現」を念頭に置いて下見すれば、おのずと結論は導かれるはずです。

「本土で失業したから奄美へ」とか、「本土の住環境に疲れて奄美へ」とかの動機だと、「奄美ではそれ以上に厳しく、下見に値しません」と言いたいです。

E. 移住希望者の要望と現実の違いはどうなの?

せっかく移住したのに、本土に帰ってしまう人はどんな人ですか?

トラさんカップルだと夫婦の価値観がずれていってしまった場合です。ゆったりとした生活リズムを望む妻に対して、夫が本土より収入が下がり、仕事・奉仕活動で本土より多忙になり、夫婦の生活リズムが合わなくなったカップルや、農機具への先行投資が大きかった割に収入は少なく、家計のバランスを崩してしまったカップルもありました。

「理想と現実が違う」こととして、よく言われることはありますか?

トラさん

理想と現実のはざまに悩むことで一番多いのは、奄美で収入の糧がなくなるなど、「職」の要因がほとんどです。そのために、サラリーマンだけとか、自営業だけとか、1種類だけの「職」だけでなく、モノづくり(農業、漁業や加工業)など、オールマイティな自給

力を身につけることが大切です。したがって、半農半Xライフが理想なのです。

奄美では、「あれもこれも欲しい」型の人生美学では、理想と現実とのギャップに陥るだけです。「ティファニーの宝石は捨てて、指輪のない人生」、「ペットボトルは捨てて、水を飲む人生」など、奄美での人生美学を「本土生活での多くのモノを捨てることで、1つのモノを奄美で拾う」人生美学の転換ができるかどうかで、理想と現実のスイッチングの可否が決まると言えましょう。

F. Iターン、Uターン、オーOターン希望者に個別にアドバイスを下さい。

トラさんIUOターン共通で言えるのは、「仕事があるから奄美に移住する」、「仕事が無いから移住しない」の姿勢ではダメです。仕事は創るもので、隙間産業など「奄美の産業のすそ野を広くするために移住する」姿勢が大切です。半農半エックスXライフ(農を楽しみながら別の仕事をする)など、そのお手本です。

Iターンへのアドバイス

トラさんIターン希望の方は、趣味と実益を兼ねてやってくるというタイプが一番多いです。一度しかない人生、実益(収入)は本土生活よりも低くても、趣味やゆとりある人生を送りたいという方や、あくせくしない静かな精神性に価値を見出した方におススメです。

Uターンへのアドバイス

トラさん島に帰るとしがらみが多く、冠婚葬祭など交際費が掛って大変だと気にする方がいますが、それはあなたの心持ひとつで、自身の収入に合わせた交際をすればよいだけです。故郷に錦を飾るなどの虚勢を張らず、「年金生活の身だから」と素直に故郷に溶け込むのです。

O(オー)ターンへのアドバイス

トラさんIT関連企業、創作芸術家、転地療法、リハビリなど、本土でも働き奄美でも働く、本土でも住み奄美でも住む、という2地域居住がITと交通の発達で益々実現可能となり、理想のライフスタイルになりつつあります。 海洋性温暖気候の奄美では、やわらかい頭で仕事ができ、鬱病にもなりにくく、病気などの回復も早く、落ち着いた雰囲気で住むのにもってこいのフィールドです。むしろ、沖縄の面積2分の1の奄美で人口も経済規模も10分の1以下ですので、「ゆとり」がいっぱいある島なのです。

G. 住まいはどうやって捜せばいいの?

賃貸物件の相場はどのくらいですか?

トラさん場所によって相場は異なります。奄美大島の中心部である奄美市名瀬は相対的に高いです。奄美市名瀬の場合、郊外だと一戸建てで25,000円前後、中心部で35,000~60,000円の家賃で、公営住宅は空き家待ちの状態です。奄美市名瀬以外の町村は、これより低家賃の物件が多いです。

島内在住の保証人がいないと、賃貸物件は契約できないのですか?

トラさん保証人を島内に限定しない物件もあります。本土の親兄弟でもOKという場合もあります。島内在住の保証人を求めるのは、過去に家賃を滞納したまま夜逃げされたりしたためです。また、保証人の代わりの保証制度を扱っている宅建業者もあります。

不動産会社を介さない物件が多いというのは本当ですか?

トラさん農村地区の場合は不動産会社を通さない物件がほとんどで、顔を知っている同士の相対取引はかなり多いです。そのような物件を探すには、自ら歩いて回るか、行政や区長さんに尋ねるしか方法はありません。まずは行政窓口に相談してみてください。

古民家の空き家は貸してもらえないのですか?

トラさん空き家になっているケースの大半は、1)本土に行った子どもたちがいつ戻ってきてもいいように家主が空室のままにしておきたがる、2)物置代わりに利用していることなどが原因です。家主自体が本土に行って奄美大島にいないケースも多いです。そのような物件を希望する時は、行政、区長さんや近隣住民に状況を尋ねて回ることになります。

奄美大島には非常に安価な家賃で住める住居、または空き家を自分で改修して無料で住める住居等があると聞きましたが、本当でしょうか?

トラさん田舎暮らし(農村地区)の家賃は月25,000円前後が多いです。借り手がリニューアルして「無料」という話はあるにはありますが、例外です。「非常に安価」といっても「月10,000円」なり「月15,000円」なり、きちんと支払った方が良いと思います。

田舎暮らし(農村地区)では浄化槽でなく、ボットン便所(汲み取り式)の家屋が多く、使用者が行政の補助金を受けて改修するという例もあります。

奄美市では行政が古民家を借り上げてリニューアルし、希望者を募集し住宅提供するシステムが実現しましたが、このようなリフォーム住宅が増えるといいですね。

就職先が決まらないと、住居の賃貸契約は無理でしょうか?

トラさん「就業が先か住居が先か」ついては、確かに鶏と卵の議論となります。ハローワークでは「島内に住居のない人の斡旋は困難」、不動産会社に行くと「定職のない方への貸家斡旋は無理」、「島内の保証人が必要」と言われる堂々巡りが多くあります。 ただ、これまでその壁を乗り越えていった経験者もいます。

  • 主に農村地区や過疎地にある小規模住宅などを歩いて捜しまわり、
    不動産会社を仲介しない方法で住居を決めた
  • 「島内に限定しない」保証人物件を探して、住居を決めた。
  • 保証制度を活用した。
  • 地元新聞を購読し、新聞広告の「急募」欄や企業のホームページを見て 
    直接応募をして先に仕事を決め、雇用主が住居の保証人となってもらえた。
  • 奄美の居酒屋や畑仕事中の人々などと雑談をしているうちに、仕事も住居も紹介してもらえた。
  • 公営住宅を申し込み、住居を先に決めた(※県、市町村によって募集要項が異なります)。
  • 塩づくりなどの就業体験をしながら家を探した。

ただ、上記の方々も含め、奄美に実際に足を運んで顔を見せて折衝しないと、仕事・住居がともに決まるケースはほとんどありません。電話やメールなどでは相手の素生がわからないため、島内では敬遠されます。 仕事も家も手に入れた人々の多くは、短期、中期で何度も奄美に滞在し、その人の熱意に周囲が動いたというケースも多いです。

都会にいると不動産物件情報がほとんど手に入りません。物件を調べて回るのに、効率的なやり方はありますか?

トラさん奄美の不動産業(宅建業)40社(2009年11月現在)の一部はインターネットでも見ることはできますが、大半の物件は地元新聞への掲載広告が主体です。奄美の新聞(南海日日新聞、奄美新聞)を1カ月程度購読すると、奄美大島の物件がどのようなものなのかの傾向はわかります。

奄美のトラさんに連絡すると、上記新聞切り抜き一覧をお送りします。

奄美への下見の際に市街地(名瀬)では街歩きしたら、ビルや一軒家に【空室】の張り紙があるのですぐわかります。

全く知らない地元の不動産屋から土地や家を購入するのに不安があります。
過去に何かトラブルになったことはありますか?

トラさん借家ですと、近隣者、地域、医療、交通など、思いがけない事情が起きた時は転居の方法がありますが、購入となると簡単に転居というわけにはいきません。私は、奄美ではまず借家から始めて、島の生活事情を把握してから買うという2段構えを勧めています。
購入に伴うトラブルはよくわかりませんが、借家生活中に奄美の人達からも賃貸物件の周辺情報を含め、いろいろな情報を得て判断した方がいいでしょう。

裁判所物件や行政物件も公開され、売買されています。

土地は何坪くらいから売ってもらえるのでしょうか?
100坪とかの大きな区画しかないのでしょうか?

トラさん市街地(名瀬)ですと50〜60坪程度が中心ですが、田舎暮らしだと100坪などで菜園付きが多いですね。たまには、20坪程度とかの物件もあるにはあります。

1か月など長期スティをするには、どんなところに泊まるのがいいのでしょうか?
100坪とかの大きな区画しかないのでしょうか?

トラさんマンスリーマンションがありますが満杯状態が多く、空室のタイミングに巡り合うのが大変なくらいの人気です。その他には、ウィークリーマンションやユースホステル、公共宿泊施設、旅館、ビジネスホテルの長期スティ料金などが多く利用されています。

貸別荘にロングティ専用物件は少なく、オーナーの利用目的で建てられた物件がほとんどです。それらはオーナーが利用する期間は使えません。短期滞在には向きますが、ロングスティ用の貸出専用となると限られてきます。

H. 仕事はどうやって捜せばいいの?

農業をやりたいのですが、支援制度はありますか?

トラさん農業研修制度や支援を行っている市町村もあります。農地のあっせん制度もあります。詳しくは、各市町村の産業振興担当にお尋ねください。

どんな求人があるのですか?

トラさん看護師やヘルパーなど、医療関係や介護福祉関係資格を有する求人、スキルを要するIT関連の求人は多いです。一般事務系は少ないです。

就職先を紹介してくれる窓口はありますか?

トラさん現時点ではハローワークが唯一の窓口になっていますが、市町村も情報を持っている場合もあります。

社宅や寮などのある仕事はありますか?

トラさん公務員、電力、建設、大島紬、医療、金融機関などの分野には、社宅や寮がありますが、人事異動とセットですので、IUOターン者等の場合は一般住宅がほとんどです。

移住して仕事がなかなか見つからない人は、どうしているのですか?

トラさん仕事が見つからない人は帰って行きます。

ただ、ハローワーク情報だけでなく、地元新聞(南海日日新聞、奄美新聞)に広告で載る「急募」欄や、町の人たちと話している中で、思いがけず仕事が決まったという話はよくあります。

したがって、たくさんの人と普段から仲好くなっておくことが大切です。

I. 地域に溶け込むにはどうしたらいいの?

地元の住人と良い関係が築けるか不安です。

トラさん地元に溶け込む努力をしましょう。共有すべき奄美の自然を一人占めで囲い込むようなことや、大都会の論理や契約社会を島に当てはめようとしたり、奄美に住んであげているという意識が見え見えだと、地元と摩擦を起こしてしまいます。

奄美の人は温暖気候で明日のお金がなくても分け合って暮らせる環境下で育っています。だから、右か左か、1か2かの世界ではなく、ファジー(あいまい、テゲテゲ(島の方言)で熱しやすく冷めやすい、目でモノを言う南方系の性格で、お金の目をしていない人たちです。安心して溶け込んでください。

どんなことが地元には受け入れられないですか?

トラさん都市部での生活習慣をそのまま引きずることはお勧めしません。戸を閉め切ったままの生活スタイルや、玄関先の訪問者をドアののぞき穴から見るなどは、地元民から見ると不気味に見えます。奄美の人は南国気質ですから、楽天的で開放的です。心を開きましょう。

集落行事が多いと聞きますが、どんな行事があるのでしょうか?
参加しないと村八分にされますか?

トラさん市街地区(名瀬)は都市型生活なので、地域行事はそれほど多くありません。

田舎暮らし(農村地区)ですと、毎月の「常会」(自治会のこと。報告や協議を行う)、「市民清掃」、9月の「敬老会」、10月の「八月踊り」(五穀豊穣のお祭り)、1月の「合同歳の祝い」(自治会主催で長寿者を祝う)などが中心ですが、いずれも奄美に残る日本の古き良き伝統を楽しむ姿勢が必要でしょう。

村八分ということはありませんが、本土の都市部の論理(個人主義)の物差しで奄美を見るのではなく、集落(ムラのこと)の論理(助け合いの「結い(ゆい)」)で奄美を見ると、忘れかけていた日本文化や地域・家族の文化の良さが馴染んできて、あなたも「島人(しまんちゅ)」になっていきます。

これら集落とあなたの間合いは「失恋」の解決と同じで、時間が解決してくれます。気負う必要はありません。奄美に転勤してきた教師が奄美の子供たちに良い教育をしてあげようと気負ってきたけれど、着任するや否や、子供たちが「ハゲー」(驚いたときに使う方言)とか「○○っちば」(語尾につく方言)とかの感嘆詞で声を掛けてきて、肩の力が抜けた教育ができるようになったとはよくある話で、奄美は「教師が生徒に癒される島」です。

同じように、素直な心で溶け込むと集落があなたを癒してくれます。集落行事などであなたの珍芸や得意芸を披露すれば、みんな大喜びして、すぐに仲良くなれますよ。

自治会はどのように運営されているのですか?

トラさん本土では自治会の経験がない方が多く、戸惑いもよく見られます。名称は自治会、町内会、集落会などさまざまですが、奄美では市街地(名瀬)であれ田舎暮らしであれ、地域の自治組織があり、地域や学校の報告や連絡、申し合わせ、地域行事の拠点となっています。

毎月1戸当たり数百円から千数百円程度の会費を徴収し運営し、奄美生活の「安全、安心、共生、協働」の拠り所として機能していますので、ちゃんと会費を納めて進んで参加しましょう。会長をはじめ、役員はいざという時の相談窓口であり、助け合い(結い)の支えでもあります。

月1回、「常会」(定例会)が開かれますが、地域には老人クラブ、青・壮年団、女性会、子供会育成会などもあり、自治会から補助金を受けたりして、地域で子育てをし、お年寄りを見守り、犯罪から守り、リクリエーションを楽しむ地域拠点組織です。

これにより、奄美は「疎」ではなく「疎」、「長寿」ではなく「元気長寿」、「地域の子供として育てる」環境が今も保たれています。

J. その他(生活、教育、医療、交通、情報通信等)

本土よりも物価が高いというのは本当ですか?

トラさん本土から物資を運ぶので、多少割高です。離島物価は全国平均より約6%高いというのが、統計指数です。ガソリン、日用品などは割高感があると思いますが、リサイクル品、無人市などを利用しながら家庭菜園などで自給力を高め、生活スタイルの「選択と集中」で乗り越えられます。

携帯電話は使えますか?

トラさん携帯電話会社全てが使えます。ただし、山間部等、場所によっては受信状態が悪い地域も一部あります。

インターネットは使えますか?

トラさん奄美全体で使えます。ただし、光ケーブルが入っている地域はまだ限定的です。光ケーブルが無い場合はADSLや無線LANになりますが、さらに離れた地域はアナログ回線です。市町村の担当課にお尋ねください。

公共の交通機関はどうなっていますか?

トラさん路線バスになります。奄美市名瀬の中心部と空港〜奄美市名瀬は比較的便数も多いですが、バス便が少ない地域もあります。

奄美には電車がありません。基本的には一家族一台は乗用車なり、軽トラック、オートバイ等の自家用車を持つことをお勧めします。

大きな病院はありますか?

トラさん県立病院などの総合病院も多く、外科手術も対応しています。ただし、奄美大島では奄美市名瀬、奄美市笠利、瀬戸内町古仁屋に集中しています。

教育環境はどうですか?

トラさん保育園、幼稚園から高等学校まで充実しています。奄美大島では高等学校は全て県立高校で、下記になります。

  • 大島高校(奄美市名瀬) 電話0997-52-4451
  • 奄美高校(奄美市名瀬) 電話0997-52-6121
  • 大島工業高校(奄美市名瀬) 電話0997-52-4301
  • 大島北高校(奄美市笠利町) 電話0997-63-0005
  • 古仁屋高校(瀬戸内町) 電話0997-72-0034

専門学校は次の2校がありますが、大学・短期大学はありません。

  • 奄美看護福祉専門学校 電話0997-54-9111
  • 奄美情報処理専門学校 電話0997-52-6999

買い物に不便は感じませんか?

トラさん食料品から日用品、家電など、生活に必要なものは全て島内で調達できます。本土系列の大きなスーパーや書店、家電量販店などもあり、不自由はしません。奄美は、都市集積力を有する中心市街地と近隣の農村地区のバランスが良く取れているため、「コンパクトシティ」、「スローシティ」、「日本の離島の王様」とも言われています。

奄美のトラさんにコーディネート/ガイドを頼む場合は・・

奄美発着の交通並びに宿泊、レンタカー等の手配は、各自で対応ください。
奄美滞在期間中に希望される行き先を事前アンケートにご記入ください。
アンケートは、FAXにて送付ください。メールは使いません。
電話/FAXでのコミュニケーションになります。

FAX送付先:花井恒三宛
FAX番号:0997-54-8856(電話兼用)

ボランティアなので、ガイド代は頂きません。
当日の入場料、お食事代などは各自で精算ください。
相談、案内等、可能な限りの支援に努めますが、日程的に都合のつかない場合もありますことを予めご了承ください。

お問い合わせは、電話:090-5487-1603 まで

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